創業当時はテレビもない時代で。配管工事、衛生設備の技術はあっても、都心をはずれた田舎では本業の設備工事なんてめったにありませんでした。
各ご家庭でも蛇口なんてありません、お大尽の家では滑車を使ったつるべ井戸で、庶民の家では竹竿の先端に桶を直接取り付けて井戸から水を汲み、お風呂や流し台脇の水甕まで天秤棒でかついで運んでいました。
その井戸に手押しポンプの取付、修理が主な仕事でした。パイプなんて貴重な時代です、竹の節をくり抜き手押しポンプに取付て水の汲み上げパイプとして利用したこともあります。
この手押しポンプを取り付けても当時の奥様方は、バケツで 何杯もお風呂まで水を運ばなければなりませんでした。
そこに登場してきたのが電気家庭ポンプです。「蛇口をひねれば水が出る」、これはいままでの生活を一変するもので「自家水道」と呼ばれ、庶民の家庭では台所と風呂場に1栓づつ設置され、蛇口なんて見たこともなかった奥様方を水汲みの苦労から解放したものです。